2016年11月6日日曜日

FOEHN エレキギター弦 レビュー

去年?くらいから販売され始めた「フェーン」というメーカーの弦を買ってみた。大手メーカーのOEMも手がけているらしい。


パッケージは紙箱タイプ。「極上の日本品質」と書いてあるがMade in Chiaである。誤解を招きそうだ。



弦は一本毎に個包装されている。フェルナンデスやアリアのように「ホチキス留めで個包装が台無し」になっていなくて好感が持てる。


コーティング弦はボールエンドが色付きになっている。どうせなら通常弦も色分けしてしてほしかったところ。



巻弦の先は芯線が出ていないタイプ。


プレーン弦、巻弦ともにしっかりとしたエンド処理がされている。エンドから解けてしまうことはなさそうだ。



手触りの具合は少し硬めのアーニーボールといった感じだ。巻弦もあまりザラザラしていない。

コーティングはエリクサーのナノウェブに近い。プレーン・巻ともにアリアやKガレージのように開封時からねばっとしていない。密封パッケージがしっかりと新鮮さを保っている。

音程が安定するまでの時間はダダリオくらいの印象だ。伸びしろがなさすぎる感じも、伸びすぎな感じも、エンドが解けていくこともない。

総じて同価格帯のコーティング弦よりも高品質といえる。ただしエリクサーほどツルツルではないので普段エリクサーを使っている人や通常弦にフィンガーイーズを吹いている人にはやや物足りないかもしれない。

肝心のサウンドは明るめで、フェンダーギターと相性が良いタイプだと感じた。あとはこのコンディションが長く保たれば文句なしだ。

フェーン弦は想像以上に興味深い弦だった。新しい弦に興味がある人は一度買ってみることをオススメする。

〈余談〉
個人的にここ数年で一番インパクトが強かった弦はダダリオのNYXLだ。独特の柔らかさと通常弦らしからぬ耐久性はNYXLでしか味わえない。フェーンと同じくこちらもおすすめしたい。

2016年5月19日木曜日

お気に入りのアンプ Blackstar FLY3 レビュー

 日頃ヤマハTHRを愛してやまない僕だが、THRとは別にお気に入りの電池駆動アンプがある。



 BackstarFLY3というアンプだ。おそらく(ディレイ部分以外)アナログ回路で組まれているであろうこのアンプはデジタルモデリングアンプとは一線を画すエフェクター乗りの良さを持っている。

 僕の個人的な感覚だが、デジタルモデリングアンプは外部エフェクターとの愛称が悪いものがいくつも存在する。ギター直の信号で最適な音を出すように設計されているからだろうか?とにかくペダルを繋ぐと望んだものとは違う音が出る。歪みの後ろに歪みを繋いだ時のような具合だ。そのせいで長らく15W程度のアナログ自宅用アンプを手放せずにいた。

 FLY3は違う。ペダルを繋いでも違和感がない。単一のペダルでも、マルチエフェクターでも、思った通りの音が出る。FLY3以外のアナログアンプは不要になった。爆音が出せない自宅環境では、こいつがあれば十分だ。



 エフェクターを繋いでいない状態の音も良い。特にクリーンはとても綺麗だ。使いにくいと評されるISFは元々同社のHT-1を使っていた僕には何の問題もない。クリーンチャンネルでもGAINを上げるとそこそこ歪んでしまうので超クリーンな音ではないが、10時程度のGAINならクリーン~クランチの手前くらいの音になって気持ちがいい。

 歪みチャンネルは頑張ってはいる。マーシャルなどの電池駆動アンプとは比べ物にならない。オレンジのマイクロクラッシュよりも良い。ちょっと高めのAC電源自宅用トランジスタアンプ程度のレベルにはなっている(変な喩だ)歪みにうるさくない人なら許せると思う。

 そして外部入力。THRほどではないにしろ、AUXから入った音も綺麗だ。バスレフが効いているのか、低音もちゃんと出る(これがクリーンの美味さにも関わっている)

 スマホやタブレット、ノートパソコンの内蔵スピーカーに満足できず外部スピーカーを使っている人はそれをFLY3に置き換えても良いだろう。ちょっとしたイベントの音響にも使える。実は僕が主催するヨーヨーイベントや、依頼されて出演したステージ、出店したブースなどで実際にFLY3を運用したことがある。普通に使えた。THR5ですらかさばると感じるくらい荷物が多い時にはFLY3の出番だ。

 ヘッドフォンアウトの音も良い。HT-1の時も感じたが、Blackstarのヘッドフォンアウト(スピーカーエミュレーションアウト)は自宅用アンプという大きなカテゴリーの中で見てもかなり良い方だ。VOXでズッコけた人はきっと驚くだろう。もちろんAUX入力にはエミュレーション効果がかからないので練習用の音源も濁りなく聞こえる。テレビ、ラジオなどをつないで、近所迷惑にならない「ながらギター」を楽しむのもいいだろう。ながら好きの僕としてはそっちの使い方をすることのほうが多い。ながらマンにとってAUXは重要なのだ。

 唯一残念なところは内蔵エフェクトがディレイなところ。HT-1の時にも感じていた不満だ。どうせならリバーブを内蔵して欲しかった。小さいながらもLEVELTIMEのツマミがあるので使い方によってはディレイらしい使い方をしないこともできるのだが。ケチをつけてしまったがちゃんとディレイとして使う場合はとても良い。と、フォローもしてみる。

 オススメのアンプを聞かれるとTHRと答えてしまいがちだが、THRは高価だし、住まいの環境によってはTHR5ですら邪魔になることもあるだろう。



 FLY3は費用と置き場の問題をクリアする。バタフライ型ヨーヨーを62段重ねたくらいのサイズしかない。

 専用キャビネットを接続すれば6Wのスタックアンプに変身してしまう拡張性も魅力だ。キャビネットの方はまだ手にしていないのだが、いずれ機を見て購入しようと考えている(僕が買った時はまだ全部入りパックが売られていなかったのだ)




 FLY3、愛しいアンプである。小さいアンプが欲しい人はぜひ選択肢の中に入れて欲しい。

2016年5月18日水曜日

エレキベースで使うピックのハナシ

 今回もエレキベース関連の話だ。

 僕は指弾きがほとんど出来ないので、曲によってピックの種類や弾き方を変えることで音質に変化を与えている。本当なら指引きを覚えなければいけないのだけど…
 ともかくピックの話だ。僕がエレキベースを弾くときに使用しているピックを4つ紹介したい。
■Ibanez PA1M


ネットではアタックが丸くなると評判…の割にリアルでは使っている人を全く見ないアイバニーズの円形ピックだ。
 弦にヒットした後するっと抜けていくので角のあるピックよりもアタック音がずっと小さい。
 弦離れの良さはピカイチだが、その分極端な順アングルで弾いている人には向かない。弦に対してピックを垂直に立てた時のような音になってしまう。どちらかといえば並行アングルか逆アングルの人向けだ。僕は並行と逆の間くらいで弾くので丁度いい。
 ベース用だがアコギのコード弾きやソロウクレレにも向いている。好みに合うかどうかは使ってみるまでわからないが1枚くらい持っていても損はしないと思う。

■HERCO FLEX75


某神も使っているらしいナイロン製のピックだ。厚さ的にはミディアムに相当するが素材がナイロンなのでセルロイドミディアムよりも柔らかい感触になっている。
 普段ティアドロップを使っている人なら違和感なく持ち替えることができるだろう。グリップ感覚を変えずに音を丸くしたい人にはおすすめ。

■JIM DUNLOP JAZZ III XL


超有名なJAZZ IIIのXL版。普通のティアドロップより気持ち大きいくらいのサイズだ。今回紹介する4つの内もっとも使用頻度が高いのがこのピックだ。
 しっかりしたアタックがあり、それでいて弦離れが良くて、持ちやすい。サイズが大きくなってもJAZZ IIIの特徴はバッチリ残っている。
 普通のティアドロップだと微妙に弾きにくい。弦離れが悪い。こすり音が出やすくて悩んでいる。速いオルタネイトやエコノミーができない。そんな人には特におすすめだ。
 これだと大きすぎると感じる人は普通のJAZZ IIIや同コンセプトのPlanet Waves(D'addario) NYLPROでもいい。とにかくこの形状のジャズピックを使ってみて欲しい。

■Famous レザーピック


指弾きができない僕のようなヘタレを救う存在、それがこのレザーピックだ。
 これはウクレレ用に作られたピックで、薄手のレザーを貼り合わせて作られている。
 同じくウクレレ用として販売されているフェルトピックよりも、ギター用セルロイドThinよりも柔らかい。それでいてペラッペラではない。
 この柔軟さとレザーの質感が樹脂ピックでは出せない丸い音を実現する。僕にとって欠かせない存在だ。
 かつてはやたら分厚いゴム製のピックを使っていたが、あちらは最高に丸い音が出る代わりに演奏性に難があって困っていた。その点レザーピックは優等生だ。弾きやすい。丸い。素晴らしい。
 難点は耐久性が低いこと(使用に伴いふにゃふにゃになる)、そして個体差があること。
 なにぶん天然素材だ。その個体を抜く革の質、店頭での保存状態などによって新品状態の柔らかさに差が出てしまう。
 とりあえず一枚買ってみて可能性を感じたら複数枚買い足していい具合の個体を選んで使おう。


Squier Bronco Bass 2/2 改造編

■レースセンサーが見つかった

 押入れを整理していたら「レースセンサー」が出てきた。リプレイス面とピックアップとして有名な製品だ。
 確かムスタングに取り付けていたのを外して、それから行方が分からなくなっていた。数年越しの再会である。
 せっかく出てきたのだから何かに取り付けてみよう。
 その候補として選ばれたのがブロンコベースだ。前回、なんの脈絡もなくブロンコの話を始めてしまったが実はこういうきっかけがあったのだ。

■レースセンサーについて
 レースセンサーはドン・レースによって作られた新しいタイプのシングルコイルパッシブピックアップだ(新しいといっても2015年で30周年)
 板ゴム磁石を複数枚重ね、コイルを巻き、金属板でシールドしてから樹脂カバーを被せている。きわめてノイズが少ないバータイプピックアップというわけだ。
 我が家にはレッドの他にフェンダー扱いのゴールド(エリッククラプトンモデルにも採用されていた万能モデル)がある。そちらは今もムスタングのフロントに搭載中。
 バータイプで高出力なレッドは「低出力で弦と合わないポールピースのブロンコピックアップ」の代わりとして最適だ。早速交換作業にはいる。

■開腹


キャビティはご覧の通り導電塗料でシールドされている。今でこそ珍しくないが、スクワイアは他の安ギターブランドに先駆けてこの仕様を取り入れていた。


これがピックアップ裏面。ポールピースは6本。つまりギター用だ。構造はフェンダー型というよりもP90に近い(グレコなどにもこれに近いピックアップが載っていたりする)ベースプレートがないので接着剤でガチガチに固められている。
 このピックアップを取り外してレースセンサーを取り付ける。作業自体は簡単だ。元のピックアップのHOT(白線)が繋がっていたところにレースセンサーのHOT(オレンジ線)を、元のCOLD(黒線)が繋がっていたところにレースセンサーのCOLD(白線)とGND(緑線)をハンダ付けしてやればいい。


無事交換できたところ。ホワイトのカバードなのでルックスの変化は最小限に済んだ。いい感じだ。

■交換してみて
 サウンドは明らかに変化した。標準品よりもパワーがあり、かつ歪まない程度に留まるほどよい出力。これなら人に貸してもペラペラだと言われることは(たぶん)ないだろう。うちには高出力ピックアップを載せたものか、PJ配列のベースしかないのでオーソドックスなベースとの比較はできない。
 もうひとつ好転したポイントは音の揺れがなくなったこと。元のピックアップはヘッドホンアンプで聴くと若干の「音量揺れ」を感じることがあった。その揺れ感がなくなったのだ。これはかなりうれしい。


元来のかわいさとチープさはそのままに、少しだけ進化した我がブロンコベース。これからも楽しく付き合っていこうと思う。

Squier Bronco Bass 1/2 概要編

 フェンダー・ブロンコというギターがある。


 ムスタングのボディとネックにピックアップひとつと独自の固定ブリッジを搭載したギターで、当時数多く生まれたバリエーションモデルのひとつだ。
 このモデルを参考に作られたのが今回紹介するブロンコベースという楽器だ。

■スクワイア・ブロンコベース
 ブロンコベースはフェンダー傘下のブランド「スクワイア」からリリースされているエレキベースだ。





 ブロンコ系のこぶりなボディ、ショートスケールネック、1ピックアップ。ブロンコギターがそのままベースになったかのようなルックスをしている。スチューデント系のファンにはたまらないデザインだろう。


■ブロンコベースの欠点
 ブロンコベースにはいくつかの欠点がある。まずはスケール。
 一般的なロングスケールを大きく下回る弦長のためチューニングが合いにくい。
 なぜか?ざっくり言うと「全長100cm」のものにとっての 「誤差1cm」と「全長50cm」のものにとっての 「誤差1cm」 では誤差が占める割合が大きく異なるのと同じ理屈だ。弦長が長い方がフレット位置(オクターブチューニング)のズレによる影響が少ないわけだ。
 次にサドルの数。ブロンコベースはオリジナルプレシジョンベースと同じ「2サドル」だ。
 弦1本にサドルひとつという割当ではないので、正確なオクターブチューニングができないのである。
 そしてピックアップ。ブロンコベースのピックアップはベース用に設計されたピックアップではない。ストラト用シングルコイルを流用している。ややパワーが弱く、ベースらしい音とは少し違う。
 これら欠点を気にする人が多いのためか?ブロンコベースは発売時から現在に至るまで「チョイキズ特価」という名目の元、安価で投げ売りされ続けている。

■欠点は補える
 とはいえ、聞くに堪えないほどチューニングが合わないわけではない。初心者や未経験者なら聞き分けられないレベルだろう。
 それにどうしても合わないポイントがあるなら、そこを優先したチューニングをしたり、押弦でシャープさせるなどの対応をしてやればいい。
 楽器の至らない部分を支えてやるのもプレイヤーの仕事だ。僕のような素人でも、それくらいはわかる。これは普通のベースでも、ギターでも、ウクレレでも同じだ。
 出力の弱さはアンプとEQで整えることができる。ピックアップを交換してしまうのもありだろう。
 仕様的に「ガチさ」を望む楽器ではない。自分が気を遣ってやれる範囲で助けてあげながら付き合っていけばいい。

■ブロンコベースの魅力
 小さい。軽い。かわいい。これに尽きる。エレキベースなのにちょっと大柄なエレキギターくらいのサイズしかない。どんなに上等なベースだろうと、ロングスケールのフルサイズボディである限りこのサイズ感をプレイヤーに与えることはできない。
 この身軽さと可愛さの前では修正可能なレベルの問題など些事である。我が家のブロンコベースは、購入以来、自宅用・友達の家に持っていく用として大いに活躍している。
 小ささとルックスに魅力を感じたなら間違いなく「買い」だ。フェンダー日本法人設立によってスクワイア製品の入手ハードルは高くなりつつある。気になっている人は山野扱いだったころの在庫が残っているうちに購入することをおすすめする。

■余談
 あまり知られていないが、あのYUIも自宅用ベースとしてこのブロンコベースを使用していたことがある。デビュー前ではなくデビュー後に、だ。当時の雑誌によるとスケッチや作曲の際に使用していたとか。
 YUIはあぐらをかいて弾き語りしながら作曲するソングライターだ。そんな彼女にとってブロンコベースはとても付き合いやすいエレキベースだったのではないだろうか。
 改造編に続く・・・

Tumblrからの引っ越し

満を持してTumblrを使い始めたものの、どうにもしっくりこない。というか、使いにくい。

そんなわけでBloggerへ引っ越ししてみた。スキルトイとは関係のない音楽関連の話は引き続きこちらで、こんな感じの文体で綴っていきたい。まずは既存記事のコピーから始めよう。

みなさん、どうぞよろしく。

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