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2016年5月18日水曜日

Squier Bronco Bass 2/2 改造編

■レースセンサーが見つかった

 押入れを整理していたら「レースセンサー」が出てきた。リプレイス面とピックアップとして有名な製品だ。
 確かムスタングに取り付けていたのを外して、それから行方が分からなくなっていた。数年越しの再会である。
 せっかく出てきたのだから何かに取り付けてみよう。
 その候補として選ばれたのがブロンコベースだ。前回、なんの脈絡もなくブロンコの話を始めてしまったが実はこういうきっかけがあったのだ。

■レースセンサーについて
 レースセンサーはドン・レースによって作られた新しいタイプのシングルコイルパッシブピックアップだ(新しいといっても2015年で30周年)
 板ゴム磁石を複数枚重ね、コイルを巻き、金属板でシールドしてから樹脂カバーを被せている。きわめてノイズが少ないバータイプピックアップというわけだ。
 我が家にはレッドの他にフェンダー扱いのゴールド(エリッククラプトンモデルにも採用されていた万能モデル)がある。そちらは今もムスタングのフロントに搭載中。
 バータイプで高出力なレッドは「低出力で弦と合わないポールピースのブロンコピックアップ」の代わりとして最適だ。早速交換作業にはいる。

■開腹


キャビティはご覧の通り導電塗料でシールドされている。今でこそ珍しくないが、スクワイアは他の安ギターブランドに先駆けてこの仕様を取り入れていた。


これがピックアップ裏面。ポールピースは6本。つまりギター用だ。構造はフェンダー型というよりもP90に近い(グレコなどにもこれに近いピックアップが載っていたりする)ベースプレートがないので接着剤でガチガチに固められている。
 このピックアップを取り外してレースセンサーを取り付ける。作業自体は簡単だ。元のピックアップのHOT(白線)が繋がっていたところにレースセンサーのHOT(オレンジ線)を、元のCOLD(黒線)が繋がっていたところにレースセンサーのCOLD(白線)とGND(緑線)をハンダ付けしてやればいい。


無事交換できたところ。ホワイトのカバードなのでルックスの変化は最小限に済んだ。いい感じだ。

■交換してみて
 サウンドは明らかに変化した。標準品よりもパワーがあり、かつ歪まない程度に留まるほどよい出力。これなら人に貸してもペラペラだと言われることは(たぶん)ないだろう。うちには高出力ピックアップを載せたものか、PJ配列のベースしかないのでオーソドックスなベースとの比較はできない。
 もうひとつ好転したポイントは音の揺れがなくなったこと。元のピックアップはヘッドホンアンプで聴くと若干の「音量揺れ」を感じることがあった。その揺れ感がなくなったのだ。これはかなりうれしい。


元来のかわいさとチープさはそのままに、少しだけ進化した我がブロンコベース。これからも楽しく付き合っていこうと思う。

Squier Bronco Bass 1/2 概要編

 フェンダー・ブロンコというギターがある。


 ムスタングのボディとネックにピックアップひとつと独自の固定ブリッジを搭載したギターで、当時数多く生まれたバリエーションモデルのひとつだ。
 このモデルを参考に作られたのが今回紹介するブロンコベースという楽器だ。

■スクワイア・ブロンコベース
 ブロンコベースはフェンダー傘下のブランド「スクワイア」からリリースされているエレキベースだ。





 ブロンコ系のこぶりなボディ、ショートスケールネック、1ピックアップ。ブロンコギターがそのままベースになったかのようなルックスをしている。スチューデント系のファンにはたまらないデザインだろう。


■ブロンコベースの欠点
 ブロンコベースにはいくつかの欠点がある。まずはスケール。
 一般的なロングスケールを大きく下回る弦長のためチューニングが合いにくい。
 なぜか?ざっくり言うと「全長100cm」のものにとっての 「誤差1cm」と「全長50cm」のものにとっての 「誤差1cm」 では誤差が占める割合が大きく異なるのと同じ理屈だ。弦長が長い方がフレット位置(オクターブチューニング)のズレによる影響が少ないわけだ。
 次にサドルの数。ブロンコベースはオリジナルプレシジョンベースと同じ「2サドル」だ。
 弦1本にサドルひとつという割当ではないので、正確なオクターブチューニングができないのである。
 そしてピックアップ。ブロンコベースのピックアップはベース用に設計されたピックアップではない。ストラト用シングルコイルを流用している。ややパワーが弱く、ベースらしい音とは少し違う。
 これら欠点を気にする人が多いのためか?ブロンコベースは発売時から現在に至るまで「チョイキズ特価」という名目の元、安価で投げ売りされ続けている。

■欠点は補える
 とはいえ、聞くに堪えないほどチューニングが合わないわけではない。初心者や未経験者なら聞き分けられないレベルだろう。
 それにどうしても合わないポイントがあるなら、そこを優先したチューニングをしたり、押弦でシャープさせるなどの対応をしてやればいい。
 楽器の至らない部分を支えてやるのもプレイヤーの仕事だ。僕のような素人でも、それくらいはわかる。これは普通のベースでも、ギターでも、ウクレレでも同じだ。
 出力の弱さはアンプとEQで整えることができる。ピックアップを交換してしまうのもありだろう。
 仕様的に「ガチさ」を望む楽器ではない。自分が気を遣ってやれる範囲で助けてあげながら付き合っていけばいい。

■ブロンコベースの魅力
 小さい。軽い。かわいい。これに尽きる。エレキベースなのにちょっと大柄なエレキギターくらいのサイズしかない。どんなに上等なベースだろうと、ロングスケールのフルサイズボディである限りこのサイズ感をプレイヤーに与えることはできない。
 この身軽さと可愛さの前では修正可能なレベルの問題など些事である。我が家のブロンコベースは、購入以来、自宅用・友達の家に持っていく用として大いに活躍している。
 小ささとルックスに魅力を感じたなら間違いなく「買い」だ。フェンダー日本法人設立によってスクワイア製品の入手ハードルは高くなりつつある。気になっている人は山野扱いだったころの在庫が残っているうちに購入することをおすすめする。

■余談
 あまり知られていないが、あのYUIも自宅用ベースとしてこのブロンコベースを使用していたことがある。デビュー前ではなくデビュー後に、だ。当時の雑誌によるとスケッチや作曲の際に使用していたとか。
 YUIはあぐらをかいて弾き語りしながら作曲するソングライターだ。そんな彼女にとってブロンコベースはとても付き合いやすいエレキベースだったのではないだろうか。
 改造編に続く・・・